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株式会社非常食研究所は非常備蓄食製造販売会社です。

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西田東藏の世界Corporate philosophy

創業前夜の市場探訪


 当時は、株式の公開を夢見て家と職場を往復していただけの生活でした。町に出ることもなく、世の中のことなど分からない。そこで、退職後1年間、世の中の動きをウォッチングすることに決めました。デパート・スーパー・コンビニ・個人商店へ、あるいは映画館その他の盛り場へと、市場探訪に出かけました。食事や嗜好、ファッションや化粧、服装や持ち物、遊びの種類や余暇の過ごし方等々、できるだけ多方面にわたって貪欲に観察しました。  あるとき市場(いちば)やスーパーやコンビニに足を運び、色んな商品を見て回っているうちに、食料品売り場で一つの発見をしました。野菜でも鮮魚類でも肉類でも値段の安い順からいくと、市場→スーパー→コンビニなんですね。一方、サービスの良さの順からいくと、市場→スーパー→コンビニなんですね。つまり、コンビニは値段が最も高くサービスが最も悪い。それにもかかわらずコンビニの売れ行きが最もいい。これは面白いと思いました。  
 そこで、当時の買い物客にインタビューし「なぜコンビニで買うのか」を聞きました。すると、消費者がコンビニに求め、ニーズに合っていることと言うと、価格とサービスではなく、次の二つにファクターであることは分かりました。
 
 1.  コンビニの場所(立地条件)がよい(家に近い、通勤・通学途上にある)。
 2.  コンビニは24時間営業である。

 この結果を元に、ユニークなことができないか詰めていくうちに、「自販機による自己完結型の『Hot!ぐるべん』の製造販売」というアイデアに結びつくことになりました。

 それでは、その経緯についてご紹介しましょう。まず、コンビニで何が売れているかを調査したところ、第1におにぎりと弁当類。第2に新聞・雑誌類の順でした。そこで、これら二つを最もコンビニエンスにすれば世の中の人々に喜んでいただけると考えました。コンビニを徹底すると、ビルや企業、学校や住宅・マンションの中にあれば最高ではないか。しかし、現実的にも採算的にも、これは不可能だ。では、コンビニに代わってその機能を果たしてくれるものはないか。  コンビニを自販機に変えれば可能になるのではないか。  ここで、「弁当類を自販機で売る」というイメージが固まってきました。  しかし、自販機で弁当類を売るには、いくつもの障害条件があります。

 1. 長時間、自販機の中に置くので生のものは売ることができない。
 2.調理機構(水やエネルギーなど発熱体のシステム)と食事方法(お箸やスプーン)がないと食べられない。
 3. 家に帰って調理する人達には、自販機に並べられた弁当などは売れない。

 在職当時、私は営業に配属され、年に半分近く全国津々浦々出張しておりましたので、食事の苦労が多かったのです。ホテルに帰ってもレストランはすでに閉店しており、外に出ようとしても土地勘がない。やむなく、タクシーに乗って食事に出かけることもありました。そんな時、夜食が置いてあればどれだけ嬉しいものかと思いました。こういう私の出張体験と結びついて自販機を用いホテルで夜食を売るアイデアが生まれたのです。そのころ、採算上からホテルのレストランが減る傾向にあり、なければ仕方ない、しかし100人の宿泊者の中に一人でも食事に不便を感じているならば、ホテルとしてはそれに代わる対策を立てるべきではないか。そうしないと宿泊客は逃げてしまうではないか。  以上を総合的に考えて「自販機に適し自己完結型で長期保存(最低1年)がきき、しかも家庭で調理したような心の温もりを感じさせるような『Hot!ぐるべん』をホテルで売る」というコンセプトが明確に出来上がりました。『Hot!ぐるべん』がサラリーマン時代の私の夢ー企業像を実現する手段になるのではないか、夢の実現へ一歩踏み出すことができるのではないかと感じました。


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